輪廻転成を繰り返すバッタのように今日を今日とも知らず生きていく さくらの花が咲きそうなことは僕の生活になんの関係もない

蝋燭

小学校低学年くらいのころ、僕は寝られなくてよく泣いていた。「死ぬのがこわい」と、母を起こして困らせたのを覚えている。意識を失って眠る状態が、死を連想させたのかもしれない。 子供の頃の僕は、「人が死ぬ」ということが受け入れられなかった。死んだ…

二重写し

実家に眠っていたCONTAX T2を京都に持ってきて、何回か出かけるときに持ち歩いていた。それを、うちの近くにある写真屋へこないだ初めて現像に出した。 1時間ほど時間を潰して取りにいくと、かぶり撮影になってます、と言われた。確認すると確かに、1枚の…